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2025/7/2 のスポーツ科学・運動生理学 新着論文サマリー(2件)

[全文] TITLE ディチンチベット豚の肝臓における骨髄外造血と脱共役熱産生を介した低酸素・寒冷環境への適応

登山 高所環境下での酸素運搬能力向上と体温維持には,肝臓の造血機能と熱産生能力が重要な役割を果たす可能性が示唆される.

設計 ディチンチベット豚の肝臓組織を,胚発生25日,55日,出生時,生後30日,90日の5つの発達段階で採取し,シングル核RNAシーケンスとバイオインフォマティクス解析を実施した.

主要知見1: 生後のディチンチベット豚の肝臓には造血幹細胞が継続して存在し,骨髄外造血により赤血球数を増加させ,低酸素環境への適応を助けていた.低地豚では肝臓に造血幹細胞は検出されなかった.

主要知見2: 肝臓の造血幹細胞は,赤血球産生だけでなく,血管形成や血管発達を促進し,血管損傷の修復にも関与することで,赤血球の効率的な輸送を確保していた.

主要知見3: 肝細胞は,代謝エネルギーを熱に変換する脱共役熱産生(UCP3遺伝子発現)を行うことで体温を維持し,寒冷環境に適応していた.特に生後直後はグルコース,その後は脂肪酸を主要な熱産生基質として利用していた.

実践 登山者が明日からできるアクション1つ: 高所登山に備え,体温維持のためのエネルギー源として,脂肪を効率的に利用できるような栄養摂取とトレーニングを検討する.

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[全文] TITLE 筋肉のRev-erbがマウスにおける慢性運動への時間依存的適応を制御する

登山 運動する時間帯は、筋肉のパフォーマンス向上や疲労回復に影響を与える可能性がある.

設計 成体雄C57BL/6マウスおよび筋肉特異的Rev-erbα/β二重ノックアウトマウスを対象に、低強度(10m/分)、低負荷(1日1時間、週3日)のトレッドミル運動を5~6ヶ月間実施し、運動時間帯(睡眠前または覚醒後)による筋肉機能と代謝への影響を比較した.

野生型マウスでは、睡眠前(夜間活動期の終わり)に運動する群が覚醒後(夜間活動期の始まり)に運動する群と比較して、体重増加と体脂肪増加が遅く、握力(p<0.001)と持久力(p<0.001)が有意に向上し、全身の糖耐性も顕著に改善された(p<0.001).

筋肉の概日時計遺伝子Rev-erbα/βを欠損させたマウスでは、野生型マウスで見られた運動時間帯による筋肉機能(握力、持久力)や糖耐性の改善効果の差がすべて消失した(p>0.05).これは、筋肉のRev-erbが運動適応の時間依存性を制御していることを示唆する.

Rev-erbは、睡眠前に脂肪酸酸化を抑制し、炭水化物代謝を促進することで、筋肉の燃料選択を時間帯に応じて調節する.Rev-erb欠損マウスでは、常に脂肪酸酸化が優先され、低強度運動時の持久力は向上するが(p<0.001)、握力(p<0.001)や糖耐性(p<0.001)は低下した.

実践 低強度の運動を習慣にする場合、就寝前の時間帯に行うことで、より効率的な筋肉の強化や疲労回復、血糖コントロールが期待できるかもしれない.

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